南極大陸に巨大なオゾンホール出現
南極のオゾンホールは2000年に過去最大の面積を記録した。
参考:気象庁 南極オゾンホールの年最大面積の経年変化
オゾン層破壊によって有害な紫外線(UV-B)が増加し、皮膚癌の発症や白内障、最悪失明の危険がある。
リュウジー!!
ヤバイよ!!ヤバイよ!!
地球が……
まあ落ち着け。
しょうがない。今日はワイがオゾン層破壊問題について、お前さんにでもわかるようにわかりやすく解説したるわ。
お、お願いします!!
オゾン層とは何か?
そもそもオゾン層って何かわかるかー?
ううん…。わかんない。
はあー…。わからへんのに取り乱しとったんか。
まあええわ。説明したる。
オゾンはO3。
酸素原子が3つ集まったもんや。
オゾンは人体にとって猛毒でギリシャ語で「臭い」って意味や。
うわわわ。
オゾンって有毒なんだね。
せや。
ただ有毒やけど強い酸化力がある。
それをうまく使えば殺菌剤として使える。
へー。僕たちの生活にも密接に関わってるんだね。
オゾン層とは…
大気中のオゾンの90%以上が高度10km〜50kmの成層圏に存在する。これをオゾン層という。特に上空25km付近でオゾン層の濃度は最大となる。
へー。
オゾン層って何十kmも広がってて分厚いんだねー。
ただ、ギュッとすると3mmくらいの層やねん(1気圧、0℃)。
ええっ!?
オゾン層のでき方は
- 酸素分子O2が紫外線の影響で酸素原子O、2個になる
- 酸素原子Oと酸素分子O2が結合してオゾンO3になる
- オゾンは不安定なので紫外線を浴びて、再び酸素原子と酸素分子に戻る
の繰り返しで、できていく。
へ、へぇー。
オゾン層は有害な紫外線を吸収してくれる。
せやから、オゾン層があると地上に有害な紫外線が降り注がず、ワイらは安全に生活できるっちゅうわけやな。
オゾン層様様だね。
何十億年も前の地球にはオゾン層がなくて、有害な紫外線が降り注ぐ地上には生物が進出できやんだ。
何十億年もかけ、海中の植物プランクトン(藻の一種)が光合成をして酸素を生み出し続け、その酸素が上空でオゾンにかわり、オゾン層が形成されていった。
有害な紫外線が遮られた、約5億年前になって初めて生物は地上に進出した。
えっ!!
じゃあ、何十億年もかけて作られたオゾン層が今、急速に破壊されているの!?
そやねん。
壊すのは一瞬や。
オゾン層破壊の原因とは何か?
もぉ〜。オゾン層を破壊する原因って何なのー?
人間が排出したフロンのせいやと言われとる。
フロン…クロロフルオロカーボン(CFC)は、人間が人工的に作り出したもので自然界には存在してない。
このフロンは、スプレー缶やエアコン、冷蔵庫の冷媒として使われた。
オゾン層破壊の原因物質はCFCの他に
- フルオロカーボン (FC)
- ハイドロクロロフルオロカーボン (HCFC)
- ハロン
などがある。
ほほーう。
フロンは非常に安定した気体でそのまま成層圏まで達する。そして…
- 成層圏で紫外線を浴びてフロンが塩素原子(Cl)に分解
- 塩素原子(Cl)とオゾン(O3)が結びついて、酸素分子(O2)と一酸化窒素(ClO)に
- 一酸化塩素(ClO)と酸素原子(O)が結びついて、酸素分子(O2)と塩素原子(Cl)に
- 塩素原子が2.の反応へ
を繰り返してオゾン層が破壊されていく。
??ほへ〜
まあ詳しいメカニズムはええけど、フロンが持つ塩素(Cl)が原因ってことやな。
オゾン層破壊問題の現状と対策とは?
フロン類排出規制
まあ落ち着け。
世界的にも1970代頃からオゾン層破壊が問題視され、
1985年「オゾン層保護のためのウイーン条約」
1987年「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」
が採択された。
日本では1988年「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律(オゾン層保護法)」が制定された。
あわわわ……
重要単語そうなのがいっぱい…
- 1985年ウイーン条約
オゾン層保護の概要
- 1987年モントリオール議定書
具体的なオゾン層破壊物質(特定フロン)の規制
- 1988年🇯🇵オゾン層保護法
日本におけるオゾン層破壊物質の規制の施策
この中でも特にモントリオール議定書は重要や。
この議定書で具体的なフロンの規制が決まった。
特定フロンが禁止され、オゾン層を破壊しない代替フロンへと移行していった。
おおー。じゃあ特定フロンがなくなって安心だね。
実はそうとも言えやんのや。
代替フロンのハイドロフルオロカーボン(HFC)類は、確かにオゾン層破壊の心配はない物質なんやけど…
うんうん。ならいいじゃん。
最後まで聞けや。
代替フロンは、オゾン層は破壊せーへんけど、すんごい地球温暖化原因物質やったんや!!
な、なにー!!
代替フロンは二酸化炭素の数万倍の温室効果のあるガスなんや!!
す、数万倍…
せやから、2016年さっきのモントリール議定書の中に代替フロンの規制も盛り込まれた。
これをキガリ改正っちゅうんやけど、それによって今はノンフロン化が進んどる。
- 1996年先進国 特定フロン全廃
- 2010年発展途上国 特定フロン全廃
- 2020年先進国 HCFC全廃
- 2030年発展途上国 HCFC全廃
南極オゾンホール 2066年までに回復へ
まあ、安心せい。
国連の報告では2066年頃までに南極のオゾンホールは、回復する見込みなんや。
参考:国連 Scientific Assessment of the Ozone Layer Depletion: 2022
ええ〜!!そうなんだー!!
まあ、あくまで規制がうまくいけばの話やけどな。
でもすごいねー。
オゾン層破壊の対策のために私たちにできることは?
世界的なフロン類の規制実施のおかげでオゾン層保護は進んできとる。
じゃあ、オゾン層保護のため僕たちは何ができるかなー?
まずは、ノンフロンの製品を選ぶとこやな。
新しく電化製品を買うときなんかは、表示をしっかり見て環境に優しそうなものを選ぶんや。
その基準の一つが今日勉強したノンフロンや。
はーい。
2つ目は、フロン製品の正しい廃棄や。
ほう。
現在は、ほぼ新しいフロンを使った商品は販売されとらんけど、でも今まで使っとったものの中にはフロンが含まれとる可能性がある。
それを正しく廃棄しないと環境汚染につながるから注意や!!
は、はい。
SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」
オゾン層破壊問題は回復に向かってそうでよかったね。
せやな。
SDGsの目標13でも気候変動に具体的な対策をと掲げとる。
このオゾン層破壊問題に対する世界の取り組みは、ええ成功のモデルケースになった。
ほう?
ワイらが直面している解決困難だと思っている環境問題……例えば地球温暖化も、世界が本気で取り組めば、オゾン層破壊問題のようにいつかは解決するかもしれんっていうことや。
おおー。なんか前向きになれるね。
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この調子でもっと勉強してレベルアップして……
講師が東大生のオンライン個別指導塾や!!
ええ〜!!先生が東大生ー!?
じゃあ東大生に直接教えてもらえるの?
せや。
東大生がマンツーマンで学習のサポートをしてくれる。
オンラインやからどこでも受講できる!!
でも、お高いんでしょう?
フフッ。
そうでもないねん。
30日間の全額返金保証もあるから、合わんかったら辞めればええし、まずはお試しで始めてみるのもええかもな。
無料で勉強相談ができるから、まずは聞いてみるとええわ。
よしよし。宣伝も済んだし満足満足。
最後に今日のまとめや。
まとめ
- 南極のオゾンホールは2000年に過去最大の面積を記録
- オゾン層破壊によって有害な紫外線が増加し、皮膚癌の発症や白内障の危険がある
- オゾン層とは大気中のオゾン濃度が高い、高度10km〜50kmの成層圏のこと
- オゾン層は有害な紫外線を吸収する
- 海中の植物プランクトンが何十億年もかけ、光合成をしてオゾン層が形成されていった
- オゾン層を破壊する原因は、人間が排出したフロン類のせい
- 1987年のモントリオール議定書でフロンの排出規制の目処が決まった
- 代替フロンはオゾン層を破壊しないが、二酸化炭素の数万倍の温室効果ガス
- 2066年頃までに南極のオゾンホールは、回復する見込み
- オゾン層破壊問題に対する世界の取り組みは成功したケース