夢の発電方法?その名もバイオマス発電!!





ひえ〜。








ん〜
でも、バイオマス発電のことについてよく知らないな〜。


リュウジー!!
そうなんだよー。
バイオマス発電のことがちょっと気になってるんだけど、よくわかんなくてー。

しょうがあらへんなー。
じゃあ今日はバイオマス発電についてお前さんにでもわかるよう、わかりやすく解説したるわ。

わーい。
バイオマス発電とは何か

バイオマスとは、bio(生物)、mass(量)を組み合わせた造語で生物資源ちゅう意味や。

生物資源??

植物や動物由来っちゅうことや。
例えば木や生ゴミなんかやな。
ただ化石燃料も実は生物由来なんやけど、一般的にバイオマス燃料には含まれん。


ほぉー。

大きくは乾燥系or湿潤系バイオマスに分けられるな。

乾燥?湿潤?

乾いとるか、湿っとるかやな。
代表的なバイオマス燃料として、乾いとんのは木質系、湿っとんのは生ゴミや糞尿やな。




ほー。
いろんなバイオマスがあるんだね。

まあ実際は日本で発電に使われるバイオマス燃料は、ほとんどが木質系バイオマスや。
参考:資源エネルギー庁 バイオマス発電について(pdf)


えっ!!
そうなんだ。
バイオマス発電の仕組みとは

なんかすごそうなバイオマスだけど、実際にはどうやって発電してるのー?

そもそも発電ってどうやるか知っとるかー?

しらなーい。

……。
基本的に発電ってどうやって「タービン」を回すかなんやけど……
(太陽光発電を除く)

タービン??

流体のエネルギーを回転運動に変える装置なんやけど……


ほへー…

……。
まあ簡単にいうと、ヤカンで水を沸騰させると勢いよく水蒸気が出てくるやろ?
あれでプロペラを回すイメージやな。


な〜るほど〜。

で、バイオマス発電においてこのタービンを動かす方法が大きく3つある。
- 直接燃焼方式
- 熱分解ガス化方式
- 生物化学的ガス化方式
や。

それぞれどう違うのー?
直接燃焼方式

まずは「直接燃焼方式」について説明したるわ。

まあこれは一番シンプルでバイオマス燃料を燃やして、その熱で水を水蒸気に変え、タービンを回して発電や。
主に木質系バイオマスである間伐材やペレットなどが燃料に使われる。


ほうほう。

さっきの話で言うと木を燃料にヤカンを沸騰させるイメージやな。


おおー。
わかりやすーい。

可燃ゴミ焼却施設に併設されることもあり、エネルギーが有効活用されとる例もある。
熱分解ガス化方式

2つめのバイオマス発電方法は、「熱分解ガス化方式」や。

さっきの直接燃焼方式にちょい似てんねんやけど、ポイントはガス化させるっちゅう点や。

ガス化??

バイオマスを直接燃焼させるわけではなく、加熱してガス化させるんや。


へぇー。
でもさー直接燃やせばいいのに、どうしてわざわざガス化するの?

おっ。ええ質問や。
この熱分解ガス化方式で使われるバイオマスは生ゴミなどが使われる。
生ゴミは湿潤系で直接は燃えにくいねん。
せやから一旦ガス化すんねん。

へー。そーなんだー。

もう一つこの方式のええところは、発電施設が小型化できんねん。
直接加熱方式は高い火力が必要やから大規模になりがちやけど、熱分解ガス化方式は、そこまで高い火力やないから小規模で建てやすいねん。

生物化学的ガス化方式

3つめのバイオマス発電方法は「生物化学的ガス化方式」や。

この方法は今までの二つの燃やす系と違い「発酵」がキーワードや。
家畜の排泄物や下水汚泥、生ゴミを原料としそれを発酵、メタンガスを発生させ発電する。



この生物化学的ガス化方式のええ所は、他の2つの方式には向かない水分量が多い原料が使える点、発電に使用した後のバイオマスが肥料としても使える点、発電効率がええ点などがあるな。

小まとめ
直接燃焼方式 | 熱分解ガス化方式 | 生物化学的ガス化方式 | |
---|---|---|---|
発電方法 | 燃やす | 温める | 発酵 |
原料 | 木質系バイオマス、燃えるゴミなど | 生ゴミ、間伐材など | 生ゴミ、排泄物など |
メリット | 大規模発電可、焼却施設に併設、発電コスト低 | 低火力、小規模発電可 | 高発電効率、残渣有効活用 |
デメリット | 高火力必要、大規模施設 | 高い技術施設、高コスト | 高コスト、異臭管理 |
バイオマス発電のメリット

バイオマス発電ってすっごいねー!!

せやな。
バイオマス発電ならではのメリットも多い。
今日はメリットとして3つ取り上げるわ。
- カーボンニュートラル
- 資源の有効活用
- 安定供給電力
バイオマス発電のメリット①カーボンニュートラル

バイオマス発電のメリット1つ目は、カーボンニュートラルっちゅう点や。

カーボンニュートラル??

カーボンニュートラルっちゅうのは、排出される二酸化炭素が実質ゼロってことで詳しくはこっち↓の記事で解説しとるから見るとええ。

ほぉー。
じゃあバイオマス発電がそのカーボンニュートラルってこと?

せや。
バイオマス発電の代表的な原料である木質系は、成長するときに二酸化炭素を吸って蓄積させる。せやから燃やしたときに二酸化炭素が出たとしても足し引きゼロやっちゅう考え方や。


おお〜。
すごいエコだね。
バイオマス発電のメリット②資源の有効活用

バイオマス発電のメリット2つ目は、資源を有効活用できる点や。

ほうほう。

さっきから言うてる通り、バイオマス発電に使われる原料は、間伐材や生ゴミ、排泄物などほんまやったらそのまま捨てられるようなものをエネルギー源として有効活用しとる。


おお〜。確かに。
これはバイオマス発電ならではのメリットだね。

ほんで化石燃料などの輸入資源に頼りっきりの日本にとっては、数少ない国産エネルギー源になるんや。


おお〜。
バイオマス発電のメリット③安定供給電力

バイオマス発電のメリット3つめは、安定した電力の供給や。

ん?どういうこと?

エコ発電である再生可能エネルギーには他にどんなんがある?

え!?えーっと……
太陽光発電…?

せや。
他には風力発電も再生可能エネルギーやな。

この太陽光と風力発電は日本でもちょこちょこ普及しとんやけど……
供給が不安定っちゅう欠点があるんや。

供給が不安定??

太陽光発電は天気が悪かったり夜間は発電できんし、風力発電は風が吹かんと発電できん。
共に発電量の見通しが立てづらいんや。


一方でバイオマス発電は、投入する燃料の量を調節すればいつでも発電量を変えられる。

そっかー。
天気が悪いだけでいきなり停電ってなったら困るもんねー。
同じ再生可能エネルギーでも安定供給できる点は強みだね。
バイオマス発電のデメリット

バイオマス発電ってやっぱりすっごいねー!!
もっと普及しててもいいのになぁー。
これからはどんどんバイオマス発電を作ってこー。

まあ気持ちはわかるけどちょっと待てや。
今の日本の電力供給源の割合知ってるか?

し…しりません。

2022年、日本の電力割合は約8割が火力発電でバイオマス発電は3%しかなかった。
参考:資源エネルギー庁 総合エネルギー統計



こんなにメリットだらけでエコな発電方法なんだから、もっといっぱいあってもいいのになぁー。
なんでだろう?

それはバイオマス発電にもデメリットがあるからや。
今日はデメリット4つ紹介するわ。
- 高い発電コスト
- 本当にカーボンニュートラルなのか
- 森林破壊
- 発電所事故
バイオマス発電のデメリット①高い発電コスト

バイオマス発電のデメリット1つめは「高い発電コスト」や。

まあこれが日本でバイオマス発電が普及しない1番の理由になっておる。


ほうほう。
どうしてー?

まず原料であるバイオマスが各地に点在しとる点が挙げられるな。

ん?

例えば火力発電なら原料である石油や石炭を海外からドカっと輸入すればええんやけど、バイオマス発電で使われる原料は、各地の山から切り出した間伐材や各家庭の生ゴミやったりする。
すると集積するためのコストが結構かかる。


またバイオマス発電は発電効率20%程度とそこまで高くなく、水力発電80%、火力発電の40%と比べるとエネルギーをうまく使えていない。


そっかー…。
ところで水力の80%ってすごいね…。

水力発電は位置エネルギーをうまく使えるからな。

そんなこんなでトータルで見ると現状、バイオマス(専焼)発電コストは、1kwhあたり約30円で(日本で一番普及している)火力発電の倍以上になるんや(2020年)。
参考:資源エネルギー庁 基本政策分科会に対する発電コスト検証に関する報告(pdf)

ひぇ〜。
火力発電の発電コストの倍以上か〜……
そりゃ普及の大きな壁だねぇ…。

コストを下げるには発電時の熱をうまく利用するなど工夫が必要やな。
バイオマス発電のデメリット②本当にカーボンニュートラルなのか

バイオマス発電のデメリット2つめは「バイオマス発電は、本当にカーボンニュートラルなのか」や。

えええ!?
さっきメリットの所でバイオマス発電はカーボンニュートラルで地球に優しいみたいなこと言ってたじゃん!!

嘘つきー!!!

……まあ落ち着けや。
この図は間違ってはないんやけど、いろんなとこが省略されとんのや。


……。

日本でバイオマス発電の原料は多くを木質系バイオマスに頼っとるって話はしたけど……


うん……。

さらにその木質系のほとんどが実は輸入木質ペレットやったりするんや。
ちなみに木質ペレットとは、乾燥した木材を破砕して数cmに固めて作られるもんや。


その木質ペレットは…
- 森から木を切り出すときにCO2を排出
- 木材を加工工場に搬出時にCO2を排出
- ペレットに加工するのにCO2を排出
- 日本に輸出時にCO2を排出
- 発電時にCO2を排出
するんや。


うわわわ〜。
全然カーボンニュートラルじゃないじゃん…。
CO2出しまくり…。

まあ正直これやったら「火力発電と変わらんやん」っちゅう意見もある。

た…確かに…。
資源を輸入して燃焼させて発電という点では同じか…。

しかもバイオマス発電のメリットの1つでもあった国産エネルギーっちゅう点は揺らぐわな。


せやから、少しでもカーボンニュートラルに近づけるには日本国内で地産地消がベストや。
地域活性にもつながるしな。
ただコスト・資源調達量の問題があるんやけどな…。
バイオマス発電のデメリット③森林破壊

バイオマス発電のデメリット3つめは、「森林破壊」や。

し…森林破壊!?

さっきから言うてるように日本でバイオマス発電に使われる原料の多くは輸入木質系ペレットや。

そうみたいだね…。

このペレットやけど、間伐材や他に使用用途のない木材を加工したものなら資源の有効活用で問題ないんやけど……


輸出用にわざわざ皆伐(一遍に木を伐採すること)してペレットに加工しとるケースもあるんや。


ひぇ〜。
「資源を有効活用」っていうバイオマス発電のメリットがなくなるじゃん…。
間伐材を使えばいいのにー。

まあ金になるんや。
木質ペレットにすれば儲かるんやったら、そりゃあそれを作るわなー。


う、う〜ん……
バイオマス発電のデメリット④発電所事故

バイオマス発電のデメリット4つめはバイオマス発電所事故や。

ええっ!?
発電所の事故!?

せや。
バイオマス発電所では残念なことに毎年のように火災事故が発生しとる。
バイオマス発電には高い技術管理が必要となってくる。

ひぇ〜火災事故〜。

火災が起こっているほとんどは、日本で建設ラッシュの木質系バイオマス発電所なんやけど、2023年には国内施設数が200箇所を突破した。
参考:林野庁 木質バイオマス発電施設の認定・導入状況(pdf)


火災の原因は木質ペレットの自然発火が要因になっとるケースが多いな。
木質ペレットは崩れやすく燃えやすいから、取り扱いを注意せなあかんのや。
ペレットが発酵してガスに引火っちゅう例もある。


ひぇえ〜。爆発…。
燃料としては全く燃えないっていうのも問題だし、難しいねー…。

せやな。徹底した安全管理が必要やな。
で、建設ラッシュの木質バイオマス発電施設やけど、こんな感じで事故も多発しとるから建設時に周辺住民とトラブルになりがちやねん。


うあああー。
うーん…そうだよねー…。
事故って聞くとちょっと怖いよねー。

まあ、もちろん全部の施設で事故が起こっとるわけちゃうし、安全管理を徹底しとる企業が大多数や。
でもこういうリスクがあるっちゅうのは覚えといてもええかもな。

ううう…。
何かバイオマス発電ってデメリットばっかのような気がしてきたな…。

うまく使えば資源の有効活用になるし、枯渇が予想される化石燃料に代わる再生可能エネルギーとして重要な発電方法であることは間違いない。
なんでもそうなんやけど要は使い方次第や。
SDGs目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」

SDGs目標7では「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」と掲げておる。


バイオマス発電はうまく使えば地域活性にもつながるし、国産資源としてエコな再生可能エネルギーや。

うん。そうだね。
バイオマス発電のメリット・デメリットをしっかり理解して持続可能な社会になるようにしないといけないね。

今日の解説はここまでや。しっかり復習するように

はーい。
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この調子でもっと勉強してレベルアップして……





講師が東大生のオンライン個別指導塾や!!

ええ〜!!先生が東大生ー!?
じゃあ東大生に直接教えてもらえるの?

せや。
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でも、お高いんでしょう?

フフッ。
そうでもないねん。


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無料で勉強相談ができるから、まずは聞いてみるとええわ。

よしよし。宣伝も済んだし満足満足。
最後に今日のまとめや。
まとめ
- バイオマスとは、bio(生物)、mass(量)を組み合わせた造語で生物資源という意味
- 日本で発電に使われるバイオマス燃料は、ほとんどが木質系バイオマス
- バイオマス発電方法
- 直接燃焼方式
- 熱分解ガス化方式
- 生物化学的ガス化方式
- バイオマス発電のメリット
- カーボンニュートラル
- 資源の有効活用
- 安定供給電力
- バイオマス発電の国内発電割合は3%
- バイオマス発電のデメリット
- 高い発電コスト
- 本当にカーボンニュートラルなのか
- 森林破壊
- 発電所事故