【マンガでわかる】原子力発電とは?仕組み,メリット,デメリット

しょうがあらへん。

今日は無知なお前さんにもでわかるよう、原子力発電問題についてわかりやすく解説したるわ。

や。

似たのに核融合反応ってのがあるんやけど現在、実用化されとんのは核分裂反応を用いた発電方法や。

原子力発電に使われる原料はウラン(U)や。

特にこのウランの内、核分裂をしやすいウラン235が原料として使われる。

ただ天然ウラン中にこのウラン235は0.7%しか含まれておらず、ほとんどがウラン238なんや。

中性子の個数が関係しとる。

中学理科の復習やけど原子核は、陽子と中性子から成っているのは覚えとるよな？

で、ウランは原子番号が92で92個の陽子を持っており、天然ウランには中性子が142、143、146個持っているウランが存在している。

ウラン235は中性子が143個(92+143=235)、ウラン238は中性子が146個(92+146=238)や。

日本の原子力発電にはこのウラン235を3〜5%に濃縮したウラン燃料が使われる。

参考：電気事業連合会　原子の構造と核分裂

100%、ウラン235を使うとどうなるかわかるかー？

ほぼ100%、ウラン235で構成された燃料は原子爆弾になる!!

ウラン235が100%やと、急激な核分裂が起こり、一瞬のうちに大量のエネルギーが放出される。

せやから原子力発電では、反応を抑えて、長くエネルギーが取り出せる濃度になっとる。

日本には18箇所、60基の発電所があり、現在稼働しているのは9基のみである(2023年6月時点)。

参考：エネルギー庁　原子力発電所の現状(pdf)

せやな。

原子力発電所の立地条件はいろいろあるけど、海岸に多いのは冷却するための水(海水)が大量に必要やからやな。

ウラン235の原子核に中性子を当てると、ウラン原子は2つの原子核に分かれ、このときの大量の熱エネルギーが発生するんや。

参考：電気事業連合会　原子の構造と核分裂

おおお？お前さんにしては賢いやないか。

せや。だからあくまで反応を抑えて平和利用なんや。

でや、簡単に言うとウランで水を沸騰させて、蒸気でプロペラ(タービン)を回して電気を作っとる。

ヤカンで沸かしたら「ピーッ」て音鳴るやつあるやろ、あの勢いよく吹き出す力を電気に換えとるイメージや。

まあもちろん実際の原子力発電所は、こんな単純ちゃう。

ウランを直接水につけることなんてあらへんし、安全や効率を考慮して複雑な設計となっとる。

これは、あくまでわかりやすく理解するためのイメージ図や。

イメージ図のヤカン部分が原子炉で日本の原子力発電所では、沸騰水型原子炉(BWR)と加圧水型原子炉(PWR)が使われている。

原子力発電のメリットには

1. 発電時にCO2を排出しない
2. 安定供給できる
3. 発電コストが安い

などが挙げられる。

原子力発電のメリット1つ目は、発電時にCO2を排出しないエコな燃料という点や。

日本で主力の発電方法って言ったら、化石燃料を使う火力発電や。

けど火力発電は地球温暖化の原因であるCO2を大量に排出してまう。

その点、原子力発電は設備作ったり、燃料運搬したりするのには当然CO2は排出してまうけど、発電時にはCO2を出さんから、総排出量で考えたら火力発電と比べ微々たるもんや。

原子力発電のメリット2つ目は、安定供給できるっちゅう点や。

例えば石油は中東に産出が偏ってたりするけど、天然ウランは比較的、散らばって採れるんや。

リスクが回避できる。中東なんかは情勢が不安定な面もあるけど、日本がウランの輸入相手先としているオーストラリアやカナダは比較的安定しとるから輸入できやんくなる可能性が少なくて済む。つまり安定供給につながる。

しかも一度輸入しさえすればウラン燃料は再利用(95~97%)ができるため、２回目以降の原料は準国産として扱われるため長く利用できるのも安定供給につながる。

参考：電気事業連合会　原子力コンセンサス

再処理工場で回収された少量のプルトニウムと、ウランを混ぜて「MOX燃料」（Mixed Oxide Fuel：ウラン-プルトニウム混合酸化物燃料）を作り、そのＭＯＸ燃料を原子炉で再利用することをプルサーマルと言うんや。

参考：東北電力　原子力発電で使い終わった燃料はどうなるの？

まあ核燃料は再利用ができるってことだけ覚えておいたらええわ。

原子力発電のメリット3つ目は、発電コストが安いってことや。

核燃料はさっき言うたように再利用ができるし、他の化石燃料と比べわずかな原料から大量のエネルギーが取り出せる。

例えば100万kW発電するのに石炭は235万t必要なのに対し、ウランなら21tで済む。

参考：資源エネルギー庁　原発のコストを考える

肝心の発電コストも、 原子力発電はCO2を出さん他の再生可能エネルギーに比べて安いし、石炭、天然ガス並みのコストになる。

参考：資源エネルギー庁　電気をつくるには、どんなコストがかかる？

ただ注意せなあかんのは、計算方法によっては事故を起こした時の莫大な賠償金を上乗せすると原子力発電の発電コストはここまで優位ではないかもしれんという点や。

今までいくつかメリットについて話してきたけど、それを凌駕するほど「原子力発電といえば」のイメージが強いのは、デメリットの部分や。

つまり原子力発電の安全性の問題や。

デメリットは大きく2つあって

• 事故に対する安全性
• 放射性廃棄物の取り扱い

や。

原子力発電のデメリット1つ目は、事故に対する安全性や。

一度でも原子力発電所で事故が起こってしまうと周辺環境に多大な被害を及ぼす。

特に放射性物質は影響が長引く。

放射性物質が半分になる時間を半減期というがその半減期が物質によっては数万年かかったり、10億年以上のものもある。

せやから、原子力発電には絶対的な安全性が求められる。

せやけど世界でも日本でも小さな事故を含めると毎年のように起こってしまっとる。

特に原発の歴史的事故として有名なのが3つある。

原子力発電のデメリット2つ目は、高レベル放射性廃棄物の取り扱い問題や。

核燃料は再利用できるっちゅうたけど、毎回3〜5%の高レベル放射性廃棄物が出てまう。

問題なのは日本では、この高レベル放射性廃棄物を最終的に処分する場所がまだ決まってないことや。

せやから一時的に保管している場所(青森県六ヶ所村と茨城県東海村)や各原子力発電所に、この高レベル放射性廃棄物がたまる一方なんや。

また原子力発電所は、廃炉(取り壊すこと)にも莫大なコストと時間がかかるためその問題もあるんや。

せやな。

原子力発電のメリット・デメリットをしっかり把握して、これから上手く付き合っていかなあかんな。

SDGs目標7では「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」と掲げておる。

原子力発電は、うまく使えば二酸化炭素を排出しないエコな発電方法やけど、一方で放射性物質漏洩の環境汚染、健康被害のリスクを抱えとる。

原子力発電を今後どう使っていくか(もしくは使わないのか)、日本国民全員が考えやなあかん問題や。

今日の解説はここまでや。しっかり復習するように。